42歳、サウナ目当てで泊まったグランピングで、いつもの整いとは違うものを整えた話

夏の間に有休を使い切るように、という通知メールが人事から定期的に届く。その通知を見た日に、なんとなく休みだけ先に確保していた。理由は特にない。

サウナには週に2回くらい通っている。会社帰りに寄る近所の施設で、サウナ室に入って、水風呂に入って、外気浴用の椅子に座る。それを3セットやって家に帰る。もう2年くらい続けている習慣で、特に誰かに話すようなことでもなかった。

有休の使い道を考えていたとき、スマホに広告が出た。サウナ付きのドーム型テントに泊まれる施設で、写真にはサウナストーブとロウリュ用の柄杓が写っていた。いつも通っている施設のサウナ室とは違って、窓の外に木が見えている。それだけの写真だったが、しばらく見てしまった。

【リゾートグランピングドットコム】で検索すると、全国47都道府県の施設が出てきた。エリアだけでなく「サウナ」「露天風呂」「標高」といった条件で絞り込めるので、近所の施設では味わえない要素を持つ場所を選んで比較できた。ここでしか予約できない独占掲載の施設も混ざっていて、選んでいるだけで時間が過ぎた。宿泊費は近所の施設の10回分くらいしたが、条件を比較した上で選べたぶん、非日常の体験としては妥当な金額だと納得して予約ボタンを押した。

当日は昼過ぎに現地に着いた。標高の高い場所らしく、車を降りた瞬間の空気が街より涼しい。受付でチェックインを済ませて、案内された区画まで歩く。テントというよりドームに近い形をしていて、中にベッドと小さな薪ストーブがあった。荷物を置いてすぐ、併設のサウナ棟に向かった。

サウナ室は6人くらいが座れる広さで、他に誰もいなかった。ストーブに水をかけると、蒸気が天井まで一気に上がって、数秒遅れて熱が体に降りてくる。近所の施設のサウナ室は毎回誰かがいて、時間を計って交代するような空気があるが、ここには時計もなければ、次の人を待たせている感覚もなかった。

水風呂の代わりに、外に水風呂と同じ深さの木桶があった。入ってすぐは冷たさで何も考えられなくなり、出た後、近くに置いてあった木の椅子に座った。目の前は林で、蝉の声と、時々混じる鳥の声しか聞こえない。いつもの外気浴は駐車場の車の音や換気扇の音が混ざるが、ここではそれがなかった。整うという感覚自体は同じはずなのに、体に残るものが少し違う気がした。

夕方は敷地内でバーベキューの準備が始まっていた。予約時に選んだプランに食事が含まれていて、炭に火をつけるところから自分でやるタイプだった。肉を焼きながら、炭火の匂いがする。1人で来ている客は少なく、隣のドームからは家族連れらしい話し声が聞こえていた。日が落ちるにつれて、周りの林から虫の声が増えていった。

日が落ちてから、もう一度サウナに入った。夜のサウナ室は温度計の針しか見えず、外気浴の椅子に座ると、さっきまで曇っていた空に星が出ていた。標高のおかげか夜風はひんやりしていて、近所の施設では味わえない種類の静けさだった。これのために高い金額を払ったのだと、そのとき初めて納得した。

翌朝は6時に起きた。すでに蝉が鳴き始めていて、外に出ると芝生に朝露が光っていた。街より涼しい空気を吸いながら少し敷地を歩き、チェックアウト前にもう1セットだけサウナに入って、水桶に浸かって荷物をまとめた。

帰りの車の中で、次はいつ休みが取れるか考えていた。近所の施設に戻れば、また週2回のサウナ生活に戻る。それはそれで続けるつもりだが、今度は条件を変えて別の施設も探してみようと思いながら、【リゾートグランピングドットコム】のページをもう一度スマホで開いた。

※本記事はPRを含みます。

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