42歳、健保組合からの電話で「腹囲86.5cm」と言われた話

「ベルトの穴は入社したときからずっと同じ位置を使っている。だから自分は太っていない」正直、そう思っていた。少なくとも先週の電話までは。

数週間前に届いた特定保健指導の封筒に、なんとなく予約だけ入れていたのを思い出したのは、午後の会議が一件終わった直後だった スマホのリマインダーが「特定保健指導 電話面談 14:00」と鳴って、空いていた小会議室に入り、指定の番号にかけ直した

出たのは保健師だという女性で、名乗ったあと、こちらの数字を一つずつ読み上げ始めた 「腹囲が86.5センチですね 基準の85センチを少し超えています」「中性脂肪も158で、こちらも基準の150を上回っています」 数字が二つ重なっているので「動機付け支援」の対象になる、という説明が続いた

相槌を打ちながら、頭の中ではさっきのベルトの話をもう一度考えていた 穴の位置は変わっていない、それは事実のはずだった なのに数字の上ではあっさり「基準超え」と言われている ベルトの穴という自分なりの物差しが、実はそこまで当てにならないものだったと知らされた15分だった

86.5センチという数字の重みを、電車の中で調べ直した

電話は15分ほどで終わった 面談というより、数字の説明と、3ヶ月後の次回面談の案内が中心だった 帰りの電車で立ったまま「メタボ 基準 男性 腹囲」と検索した 85センチという数字は、体型がはっきり変わる境目というより、内臓脂肪の量から統計的に引かれた線らしい 見た目にはまだ変化なんてない、ただ数字の上でわずかに超えている、それだけの話だった だが「わずかに超えている」という事実だけは、ベルトの穴を根拠にしていた自分の判断より確実に正しかった

保健師が最後に言っていた「運動習慣がない方に多いパターンです」という一言も、電車を降りたあとまで耳に残った 運動習慣と言われて思い浮かぶものが、今の自分には一つもなかった

「意識が高いから」ではないと分かって、少し気が楽になった

その晩、風呂上がりに「40代 運動」で検索してみた 出てきたのは複数の投稿をまとめたページで、30代・40代でジムやマラソンを始める人が多い理由を、当事者になってから気づいたという投稿が起点になっていた 「意識が高いからではなく、代謝が落ちて何もしないと明確に体調が悪くなるから、仕方なく始める」という趣旨のことが、コメント欄で何人もの言葉で書かれていた

自分の場合はまだ体調が悪化した自覚まではなかったが、数字で先に指摘された分、同じ流れの少し手前にいるだけなんだろうと思えた 意志の弱さの問題だと思い込んでいた部分が、年齢による変化の話にすり替わって、それだけで少し楽になった

続けて辿り着いた個人のブログには、もうすぐ40歳になるという書き手が、30代でやってよかったことを7つにまとめた記事があった 運動の話は一項目に過ぎず、大半は「習慣化」「複数のコミュニティに所属する」「人から勧められたことをやってみる」といった、生活全体の組み立て方についての話だった 一人で黙々と続けようとするから3月あたりで手が止まるんだろうと、自分の過去を思い出しながら読んだ

ジムでも登山でもなく、歩くことだけ決めた

三つほど記事を読んで、結局何をやるかは自分で決めるしかなかった マラソンも登山も、今の自分にはハードルが高い 月謝を払って通う形式のものは、以前も入会金だけ払って数回で足が遠のいた経験がある 一番小さく始められるものを考えて、平日の朝、家の周りを歩くことにした 距離も時間も決めず、まず外に出る、というだけの条件にした

玄関で靴を見て、また一つ思い込みが崩れた

歩くだけなら道具はいらないだろう、そう思っていたのだが、玄関で靴を確認して考えを変えた 普段履いているのは通勤用の革靴で、それ以外にあったのは大学時代に買ったスニーカー一足だけだった ソールの外側がすり減って傾いていて、これで毎朝歩いたら足首か膝を痛める気がした 中性脂肪の数字を指摘された直後に、今度は膝を壊して余計に動けなくなるのは本末転倒だ 「靴くらいまだ履ける」という思い込みも、結局は現物を見て初めて否定された

アルペンのオンラインストアで、サイズの思い込みも外れた

スニーカーを買い直すにしても、平日の夜にわざわざ店まで行く気力はなかった スマホで「スニーカー 通販 メンズ」と検索すると、いくつかのオンラインストアの中に、聞き覚えのある「アルペン」の名前があった スポーツデポ・ゴルフ5と同じ系列の、ウェアからシューズまで揃う全国チェーンで、存在は前から知っていたが客として使うのは初めてだった シューズのカテゴリーを「ウォーキング」で絞り込むと、クッション性を重視したモデルが何足か並んでいた

長年26.0だと思い込んでいたサイズも、商品ページのサイズ表を見るとメーカーによって0.5cm単位で違うと分かった 少し余裕を持たせて26.5を選び、ついでに乾きやすい素材のTシャツと靴下も一緒にカートに入れた 注文を確定させたとき、合計金額が思ったより現実的な数字だったことに、少しだけ安心した

玄関に、土のついた靴底が置いてある

届いた箱を開けた翌朝、いつもより10分早く家を出た 家の周りを一周してから、いつも通り駅に向かった 会社までの道のりに比べればほんの短い遠回りだった 夜、玄関で靴を脱ぐと、真新しかった靴底に、うっすらと土と砂利の跡がついていた ベルトの穴は相変わらず同じ位置のままだが、靴底のほうは一日でこれだけ変わった 今のところ分かっているのは、それだけだ


同じように何か始めるなら道具からという人には、アルペンのオンラインストアが選択肢になると思います。

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※オンラインストアでの取り扱い商品や在庫状況は変動します。

※運動の効果や体調の改善を保証するものではございません。

※本記事はPRを含みます。

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