42歳、スーツは仕立て直しで乗り切ってきたのに、財布だけ浮いていた話

この記事は、スーツを新調するほどの余裕はないけど、身だしなみで損はしたくない、という40代の会社員に向けて書いている。僕自身がそうだった。

この記事でわかること。
・スーツを直して着ることと、印象を落とすことは別問題だということ
・小物が「店構え」ではなく「接客」の役割を持っているという考え方
・実際に何を、どう変えたか

スーツは直して着ればいい、と思っていた

今のスーツは、入社したときに仕立てたものを何年も直しながら着ている。生地がくたびれてきたら仕立て直しに出し、裏地が傷めば貼り替えてもらう。新調するタイミングは何度かあったはずだが、そのたびに見送ってきた。着られなくなったわけではないし、直せば済む出費を、わざわざ大きな出費に変える理由が見当たらなかったからだ。

その代わりというわけでもないが、小物にお金をかける発想自体、正直これまでなかった。名刺入れも財布も、当面使えればそれでいい消耗品という扱いで、擦り切れるまでは買い替えを考えたこともなかった。

名刺交換の数秒で、見透かされていた

問題はスーツではなかった。先月、取引先との顔合わせで名刺を出したとき、相手の視線が一瞬、僕の手元で止まった。財布から名刺入れを取り出す、その一連の動作の中でのことだ。使っていたのは入社した年に量販店で買った名刺入れで、角がすり減り、色も少しくすんでいた。その日以来、なんとなく引っかかりが残った。

スーツは店構え、小物は接客だと考えるとわかりやすい

これは店に例えるとわかりやすい。スーツは店構えだ。遠くから見た印象を決める要素で、きちんと手入れされていれば、それだけで十分に見える。一方、小物は接客そのものだ。財布や名刺入れは、相手の一番近くに差し出される。店構えがどれだけきれいでも、接客の瞬間に雑さが出れば、印象はそこで決まってしまう。僕はずっと店構えばかり気にして、接客の部分を後回しにしていたことになる。

財布を変えて、実際に何が変わったか

そこで、小物だけは新しくすることにした。選んだのは【キプリス】という革小物のブランドだった。

調べてみると、コードバンやブライドルレザー、カーフ、ヌメ革など、使っている革の種類だけで10シリーズ以上に分かれていた。正直、財布や名刺入れにここまで革の選択肢があるとは思っていなかった。どれも「使うほどに味わいが深まる」ことを前提に作られているらしく、買った瞬間が一番きれいなのではなく、使い込むほど色艶が変わっていくタイプの革だという。傷や色の変化がそのまま経年の証になるなら、日々の名刺交換で酷使しても、劣化ではなく味として積み上がっていく計算になる。

値段も、名刺入れが12,000円台から2万円弱、長財布でも3万円台前半までで収まるものが多く、スーツを一着仕立てる金額には遠く及ばない。届いてすぐ気づいたのは、革のコバ(切り口)の処理が量販店の名刺入れとは別物だということだった。角がきちんと丸められていて、財布から出し入れするときに引っかかる感覚がない。名刺入れを出すときの手の動きが、前より少し丁寧になった気がするのも、道具の側の精度が上がったからだと今は思っている。

これから見直す人への3ステップ

1. スーツは無理に新調しない。お直しで戦えるところまでは戦う
2. 相手の目に一番近い距離で使う小物(財布、名刺入れ)を、別枠で見直す
3. 一度に全部を変えず、まずは1つか2つから試す

僕の場合は、名刺入れと財布の2つからだった。それだけで、名刺交換の瞬間に感じていた引っかかりはなくなった。

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