42歳、175社応募のツイートを見て、「資格」について本気で考えた話

40代、175社に応募した。それでも決まらない

SNSでそう報告している人がいた たまたま昼休みに投稿を流し見していて目に入っただけなのに、内容がやけに具体的で、そのまま最後まで読んでしまった

175社というのは、応募した会社の数だという 転職サイトや求人票を毎日チェックして、条件に合いそうなところから片っ端に応募していったらしい それだけ応募して、内定はそう多くなかったと書いてあった 何十社も落ちて、面接まで行けたのはさらにその一部で、という話が淡々と綴られていた

本人が一番こたえていたのは、たぶん「人手不足」という言葉とのズレだったと思う ニュースでは猫の手も借りたいくらい人が足りないと言っているのに、実際に企業が欲しがっているのは若くて安く使える人材ばかりだ、という趣旨のことが書かれていた 40代でこれだけ動いて、この結果なのかと思うと、他人の話なのに読んでいるこっちまで肩が重くなった

「35歳以下」の求人ばかりという話にも、なんとなく既視感があった

そのポストのリプライ欄を下にスクロールしていったら、似たような愚痴がいくつも連なっていた 「求人票を開くとだいたい35歳以下って書いてある」「挑戦する権利すら最初からない」というようなことを、いろんな人が書き込んでいた

自分は今、転職活動をしているわけじゃない でも175という数字と、35歳以下という年齢の壁を続けて見せられると、頭の中で勝手にシミュレーションが始まった もし今の会社を離れることになったら、自分はどうなるんだろう、と

42歳、今の会社しか知らない、資格らしい資格もない 白紙に近い履歴書を思い浮かべたら、手に持っていたツナおにぎりの残りが急に味気なく感じた

リプライの中の「資格を取ったほうが早い」という一言が、妙に頭に残った

愚痴のリプライばかりかと思っていたら、その中に一つだけ違う流れのコメントがあった 「年齢で弾かれるくらいなら、資格を取ったほうが転職活動そのものより早い」という趣旨の投稿で、それにもそれなりに反応がついていた

年齢を見られる前に、資格の欄で先に引っかかりを作っておく、ということなんだと思う 若さで勝負する土俵に最初から乗らずに済む、という意味では、理屈としては分からなくもなかった

ただその場では「よし資格を取ろう」とはならなかった 何の資格を取ればいいのか、見当もつかなかったからだ 昼休みも終わりかけていたし、その日はいったんそこで画面を閉じた

夜になって検索したら、独学20時間で受かった人のブログに行き着いた

結局その夜、気になって少し検索してみた そこで見つけたのが、非エンジニアの人がプロジェクトマネージャ試験という国家試験に、独学20時間で一発合格したという個人ブログだった 合格率は14%、決して簡単な試験ではないらしい 動機として書かれていたのは、子どもに「勉強すればちゃんと結果が出る」ということを自分の姿で見せたかったから、というようなことだった

20時間、という数字がやけに具体的で、逆に信じられた 「頑張れば取れます」みたいなふわっとした話より、「平日の夜と土日で合計20時間」のほうが、自分でも計算できる分だけ現実味があった

昼間にあの175社のポストを読んだときは「無理ゲーだ」という感覚しかなかったのに、このブログを読んだあとは少し違う感覚になっていた 応募先を増やす方向で勝負するより、応募される側になれる何かを一つ持つ方向で勝負したほうが、自分には向いている気がした

SATのサイトを開いたら、知らない資格の名前がずらっと並んでいた

資格といっても種類が多すぎて、何から見ればいいのか分からない

「現場系 資格 eラーニング」で検索して開いたのが、SAT株式会社というところのサイトだった 電験三種、施工管理技士、危険物取扱者、衛生管理者、といった名前が並んでいる 恥ずかしながら、名前を聞いたことはあっても中身を説明できる資格はひとつもなかった

その中で目に止まったのが電験三種(第三種電気主任技術者)だった 調べてみたら合格率は13%前後、しかも4科目すべてに合格しないといけないらしい 名前だけは知っていたけど、こんなに狭き門だとは思っていなかった 逆に言えば、電気設備がある建物には選任が義務付けられている資格らしく、生半可な気持ちで取れないぶん、持っていれば持っているだけの意味がありそうだった 今の仕事に直結するかと言われると微妙なところはあるけれど、「今の仕事以外の武器を一つ持つ」という意味では、これくらい歯ごたえがあるほうが逆にちょうどいい気がした

映像講義と教材で学べる、と書いてあったので、とりあえず資料だけ取り寄せてみることにした まだ届いてすらいないので、テキストの中身がどれくらい分かりやすいかは正直まだ分からない 合格を保証するようなことも書かれていなかったし、4科目と聞いて早くも腰が引けている自分もいる ただ、独学で参考書を1冊買って途中で挫折した経験が過去に一度あるので、映像で説明してもらえる分、今度は続けられるかもしれない、という程度の期待はしている

あの175社のポストを最初に読んだときは、正直かなり凹んだ 他人の結果なのに、自分の市場価値まで一緒に突きつけられた気がしたからだ

ただ、あのポストと、35歳以下のリプライと、20時間合格のブログを続けて見たことで、「若さで負けるなら、別の土俵を作ればいい」という考え方に、多分自分は救われた

資格の勉強を始めたところで、今日明日で何かが変わるわけではない でも175社に応募して連絡が来ないより、資格の欄が一つ増えた履歴書を出すほうが、自分の性格には合っている気がしている

気になった方は、SATのサイトを覗いてみてください。

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